私はよく初対面の人から、目がまったく見えないのですか?と訊かれます。そんな時、真っ暗ではないんですよ、明るい方向と暗い方向くらいはわかります、でも人の顔や姿、そして影はほとんどわかりません、と答えています。
世間の人のほとんどは「目が見えない人(つまり盲人)」というと、目の前が真っ暗な人を想像される方が多いようです。じつは一口に盲人といっても、私のような光だけが感じられる全盲から、わずかな視力や視野で物を見、その情報で生活をしている弱視の人までとても広く、それぞれが百人百様の見え方をしています。
VIG(日本視覚障害ゴルファーズ協会)の会員の中でも、いわゆる最重度のB1の人は一割程度で、残りの会員は中・軽度のB2〜B3のクラスにあたる人たちです。法的な視覚障害者とは、両方の目の視力を足して0.1位からです。みなさんが健康診断で視力を測る時に、あの一番大きな文字が見えない人たちがこの視覚障害者に該当するのです。
ゴルフをする際には、ボールがまったく見えないのと少しは見えるのとでは、条件ががらりと変わります。初めて盲人ゴルファーのパートナーをされる方のほとんどが、盲人ゴルファーはまったく見えないものと思いながら手伝いにきます。その時まず驚くのが、多くのプレイヤーが一人でコースないを歩けることです。中には距離や方向を教えてあげれば、クラブのセットやグリーン上でのパットを一人でできる人までいます。もちろん、文字通り全盲のため、歩くのもアドレスも介助が必要な人もいます。
ですから、VIGの正式競技会では全盲と弱視の2部門に分けることにしています。全盲の部門にエントリーする選手はすべてアイマスクやゴーグルの着用を義務づけています。「見えないのだから、そこまでしなくても」と言われる方もいますが、全盲と本人が申告しても、まったく光を感じない人から、多少見えるように思われるのに、本人はまったく見えないと主張する人までさまざまなので、条件を同じにしているわけです。
また、このアイマスクやゴーグルを着用してプレーすることは、盲人ゴルフの本質である「見えないでプレーする」ことをまさに証明しています。
以前このコラムでも紹介しましたが、中嶋常幸プロが1ホールではありますがアイマスクをして私と競ってくれたことがあります。盲人ゴルフがもっと知られるようになったとき、目の見えるプロゴルファーや健常者ゴルファーが、アイマスクをして私たちとプレーをしてくれる日がくるかも知れません。私は、いつかそういう日がくることを楽しみにしています。