こころにそよ風


 

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コラム「こころにそよ風」

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■耳で聴くゴルフ(2) (2001/9/23)

昨年からアメリカPGAの試合を観るようになった私ですが、一番驚かされたのは観衆のマナーの良いことと、ギャラリー皆が選手と一体になってゲームを楽しんでいる様子でした。

ワールドシリーズNEC招待は、まさに世界のトッププレーヤーが選ばれて行われる試合ですし、その優勝賞金も100万ドルとビッグなものです。今年の結果は、長いプレーオフの末、タイガーが3連覇したわけですが、そのタイガーの周りに集まる観衆の数は、最終ホールに近づけば近づくほど増えていきました。最終18番ホールでは、なんと10万人以上の人がティーグラウンドからグリーン周りまでの400ヤードほどの間に集まり、10列以上の人垣がコースの両側にできます。

その群集の目がタイガーに注がれ、彼がショットする前には水を打ったように静まりかえり、グリーンにナイスオンした瞬間、ものすごいどよめきと拍手が起こる。これは、耳だけで聴くゴルフを楽しむ私にとっても圧巻です。

しかし、このように沢山の観衆が来るプロの試合では、私のような盲人がなかなか選手のそばでショットの音を聞くことはできません。以前中嶋常幸プロとご一緒させていただいた時、初めてプロのショットの音を聞かせていただきました。球を打つ瞬間、つまりインパクトの音と、シュルシュルと球が風を切る音が、まるでナベ底に沿うように下から長く聞こえてくるのです。これがアマチュアの場合、インパクトの音はもっと高い位置から聞こえ、それも長続きしない音であっさり終わってしまいます。

目が見えないのに、ゴルフが楽しいのですか?とよく聞かれます。もちろんプレーをする時も、インパクトの音や感触、そしてカップインの音など、目が見えなくてもゴルフが楽しめることはこのコラムでお話をしてきました。そしてアメリカでゴルフ観戦をするようになり、選手と観衆が一体になった試合では、観衆のどよめきが選手の息遣いまで伝えてくれるのではないかと思えるほど耳で聴くゴルフを体験できました。

私のゴルフ観戦につき合わせた息子健二ですが、この試合の後、タイガーを見て感激したのか、私が練習場で球を打つとき、時々ですが手伝ってくれるようになりました。これが、この夏の一番の収穫でした。

 


(C)1998-2003 Visually Impaired Golfers of Japan, Michio Ito, Manabu **Springwater** Shimizu
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